裁量労働制の違法→企業名公表へ

厚生労働省が、裁量労働制を違法に適用した企業を公表することを固めました。

 

1.裁量労働制って何?


2.なぜ違法する企業が出てくるか?


について、見て行きたいと思います。

 


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裁量労働制とは、仕事の進め方を自ら決められる労働者に対して実際に働いた時間にかかわらず、一定時間働いたとみなし賃金を支払う制度です。

研究職や情報システム分析など専門的な業務を担う「専門業務型」と会社内で企画・立案などを行う「企画業務型」があります。

これらの裁量労働制を導入するには、労使協定等を結び、労働基準監督署へ届出する必要があります。

違法状態の一つとして、対象業務は限定されているにもかかわらず、実態はその対象業務でない業務についても導入しているということがあります。


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なぜ違法する企業が出てくるのでしょうか。それは裁量労働制を導入する動機と運用にありそうです。

本来の動機は、これらの専門業務等は、性質上、業務遂行を労働者の裁量に委ねる必要があるからです。上記の専門業務型、企画業務型ともに仕事の成果=アウ

トプットがあれば良い訳で、経営者、従業員側ともに、労働時間の長短といった管理は効率性から考えても難しい訳です。


しかしながら、実態は長時間労働になっているという現象があります。

経営者は従業員に労働時間を委ねる=労働時間の管理をしなくて良い=残業代を支払わなくて良い。と解釈(誤解)してしまいます。

つまり、この制度を、残業代をカットできる制度だと思っていることがあるのだと思われます。


それではなぜ長時間労働になるのでしょう。

裁量労働制は、従業員に委ねるのだから、1
4時間で帰っても良い訳です。しかし、経営者目線で考えると、「4時間で帰るより10時間働いた方が成果はあがるはず

だ。同じ給料を払っているのだから長く働け。」と考えるのではないでしょうか。

この欲求が原因の一つにありそうです。そもそも従業員に本当に時間を委ねられるか、これも裁量労働制導入のポイントの一つだと思います。

また、労働時間を委ねている分、労働時間が長い従業員に対し、健康面をきちんとフォローすることは難しくなります。

つまり、労務リスクは高くなる可能性があります。

こうした理由から、昨今、裁量労働制はブラック企業を生み出す温床にもなり得る制度だとも言われています。

このことは、採用が厳しい昨今において、中小企業には不利に働くかも知れません。

自社でのメリット・デメリットを検討の上、決められた業務であるか、適切な動機か、リスクマネジメントを含めた運用は出来そうか、を考える必要があるでしょう。

 

裁量労働制を含めた制度の導入、就業規則の作成を行っています。当事務所へは、こちらからお問い合わせください。